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侵害性調査における考え方②

特許調査における「侵害性調査」

“調査における侵害”を読み解くための入門書
“特許調査初級” “知財知識中級”

第1章 製品と文章 なぜ「観点」が必要になるのか

たとえば「ボールペン」を調査対象にする場面を想像してみてください。 
ボールペンというモノを、あらゆる観点から完全に特定しようとするとどうなるでしょう。 

  • ボディ材質(樹脂、金属、複合) 
  • クリップの形状と取り付け 
  • ノック機構の構成(バネ、カム、ラチェット) 
  • インクの種類(油性、水性、ゲル)、粘度、溶媒 
  • 先端チップの材質、ボール径、保持構造 
  • リフィルの構造、気泡対策、逆流防止 
  • 書き味や掠れの条件、温度依存性 

・・・無限に増えます。そして、『全部特定することは現実的に不可能』です。

ここで多くの初心者が、無意識に“全探索”に踏み込みます。「製品を調べるのだから・・、製品の全部を考えなければ・・」と。 それは、不可能です。100%の侵害回避はありえません。

現実的な侵害性の調査開始時は、アバウトに「製品と同じ構成が権利化された権利があったら困る」という「製品」単位ではなく「要素」単位であると考えましょう。そうすると「侵害性調査の実務」は考え方が変更され「要素の記載を調べましょう」「製品の○○を調べよう」となります。  

  • 調査に必要な範囲だけを文章化する 
  • その文章(観点)が開示された文献を探す 
  • 最後に、抽出した文献とイ号(製品/仕様)を対比する 

つまり、侵害性調査の最初に行うべき仕事は、検索式の作り込みでも、公報を読むことでもなく、 “調査対象を文章で定義すること”なのです。これが「観点」です。 

※「そのような考え方だったらいくら調査しても侵害のリスクが残るのでは」と思われるかもしれませんが、上述のように100%の調査は現時点では不可能なのです。少なくとも「○○の構成を実施しても侵害にならないか?」と考え方を変えましょう。どれだけ大企業であっても、常に侵害リスクは存在しているのです。侵害のリスクをもう少し下げる手段としては『出願する』です。ここでは、侵害性調査の話なので出願の活用には触れません。

観点がなければ基準が明確でないため、閲覧時に取捨選択の判断ができません。すると、次の三つの悲劇が起こります。 

  • 抽出が膨大になる(ノイズ地獄) 
  • 製品で一次スクリーニングを判断してしまい、ほとんどが「要」資料に見える(判断不能) 
  • “不明構成”が気になって手が止まる(不明の概念の誤用) 

このような状況を感じているのなら、あなたは「製品(技術)を調査」してしまっていて「特許侵害調査」をしていないことになります。 

サン・グループ 東京オフィス

サン・グループ東京オフィスは、特許庁に近い半蔵門に構えるグループ3社の合同拠点です。
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