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侵害性調査における考え方②

特許調査における「侵害性調査」

“調査における侵害”を読み解くための入門書
“特許調査初級” “知財知識中級”

第2章 侵害性調査は二段階である 一次は観点で、二次はイ号で


侵害性調査の全体像は、驚くほどシンプルです。

1.準備作業:観点を確定(調査対象の文章化)する
2.一次作業:観点が開示された出願を抽出(スクリーニング)する
3.二次作業:抽出出願の請求項とイ号(製品・仕様)を対比する

  1. 報告作業:侵害可能性レベルの整理と次アクション

この「二つの工程(2と3)」を崩すと、途端に調査が破綻します。一次作業と二次作業の役割が違うからです。

2-1 一次の作業(スクリーニング):観点技術が“あるかないか”で切る

一次作業の目的は、「精読する対象を絞る」ことです。ここでの判断基準は1つだけ。

◆観点:A+B(+C)が文献に開示されているか?

そして重要なのは、一次作業に「不明」は原則として存在しない、ということです。一次作業は「記載がある/ない」で切る工程です。「不明構成」は、二次作業でイ号と対比するときに生まれます。

2-2 二次の作業:請求項(権利範囲)とイ号(製品)を要素ごとに当てはめる

二次作業の目的は、抽出した出願について、『請求項を分説し、イ号のどこが該当するか』を明確にすることです。

• 充足(イ号がその要素を備える)
• 非充足(イ号にその要素が無い/違う)
• 不明(イ号情報が足りず対比できない)

この「不明」こそが、実務の課題を次アクションに変換してくれます。分解写真が必要なのか、仕様書のどのページが足りないのか、試験が必要なのか。二次作業は、調査を「意思決定」につなぐ工程です。

まとめてみますと、侵害性調査における閲覧での抽出は、「新しく考えた中心となる構成(要素)」が文献に記載されているかどうかで判断します。これは観点ベースの判断であり、一次スクリーニングで「(精読する資料として)残す」作業です。たとえば中心構成Bが「吸水層とバリア層の積層で水分移行を抑える構成」であれば、一次作業では、「文献にその中心構成が記載されているか」だけを見ます。※その他の構成(要素)は、抽出基準にしない。
一方、侵害判断に近い検討は、その他の構成をイ号が備えているかを含めて検討します。請求項には、観点の中心構成以外にも用途、配置、材料、寸法、制御条件などが書かれていることがあります。二次作業では、請求項の全構成要件を分説し、イ号の仕様書、図面、写真、試験結果などから対応箇所を示します。※二次作業は文言の解釈などとても難しい作業になります。できれば弁理士に相談して判断することが大切です。また、社内サーチャーもその判断を勉強することで二次判断のレベルが上がると思われますのでぜひ弁理士に相談してください。

一次作業でイ号の細部まで考え始めると、不要判断ができなくなります。一方、二次作業で観点だけを見てしまうと、請求項の構成要件を見落とします。一次は観点、二次はイ号。この切り分けが調査品質を安定させます。

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